大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)1100 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人榊純義の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りである。

第一点に対する判断

同一調書中の供述であつてもその一部分が他の部分と不可分の一体をなすもので

ないときは、その一部を採つて罪証に供しても差支えないことは、当裁判所の判例

とするところである(昭和二三年(れ)第九四七号同年一〇月二一日第一小法廷判

決、判例集二巻一一号一三六六頁)。尤もその調書中の不可分の供述の一部を採つ

てその供述全体の趣旨と異る意味において事実認定の資料とすることは違法ではあ

る(昭和二三年(れ)第一四五五号同年一二月二三日第一小法廷判決、判例集二巻

一四号一八五六頁)が、本件の聴取書中の右Aの陳述の趣旨は、被告人との問答か

ら結局被告人が怪しい品物であることを気付いていたのではないかと思つたという

その実験した事実により推測した事項を証拠としたものであつてその陳述全体の趣

旨と異る意味において証拠としたものでないのであるから、原判決には実験則に違

反する理由不備の違法はないものといわなければならない。

第二点に対する判断

論旨は第一点所論の如くAの供述の聴取書が証拠として採るべからざるものであ

ることを前提として違憲論をなすものであるが、右前提の誤であること前点説示の

通りであるから、本論旨は前提を欠くもので理由がない。

右は関与裁判官全員一致の意見である。

検察官堀忠嗣関与

昭和二五年一一月二一日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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